《九頭龍酩酊之図》 (2017)

九頭龍酩酊之図 アクリル画 タムラゲン ( タムラ・ゲン ) 田村元 画家 SUNABAギャラリー
九頭龍酩酊之図
作者:タムラゲン (田村元)
制作年:2017年
材質:アクリル / ケント紙
寸法 : 15.8 × 22.7 cm

 

この作品は、スサノオノミコト(須佐之男命)がヤマタノオロチ(八岐大蛇)を泥酔させて退治した神話から着想を得ました。

「ヤマタ(八岐)なのになぜ九頭龍なのか?」と思われるかもしれません。ですが、「ヤマタ」は「八俣(又)」とも書かれることがあることから「八つ又ならば頭は九つでなければならない」という説を採用して、この絵では九頭龍を描きました。そのため「大蛇」というよりは名前通り龍の外観をしています。

私がヤマタノオロチの話に惹かれるのは、やはり映画の影響が大きいと思います。稲垣浩監督の東宝映画『日本誕生』(1959) や、芹川有吾演出の東映アニメ映画『わんぱく王子の大蛇退治』(1963) の二本が有名です。両方の映画の音楽を作曲したのが伊福部昭というのも私にとって特に強い印象を残しました。

又、『わんぱく王子』のクライマックスで、スサノオを追う大蛇の首が絡まる場面と、大阪のSUNABAギャラリーさまのグループ展「もつれる」という題名が私の脳内で融合して、龍の首が複雑にもつれる構図を思い付いた次第です。

尚、泥酔した九頭龍の絵を描きましたが、作者の私は下戸であります(笑)